フリーランスが避けては通れないのが「契約」。仕事をするうえで、契約に関する知識は必要不可欠です。企業と仕事をするときは、契約を結んでから業務に取り掛かることがほとんど。

 

とはいえ、フリーランス初心者の場合、契約に関する知識を深く持てていないことが多いです。私もフリーランスになりたてのころ、契約内容がわからなくてあたふたした経験があります。

 

そこで本記事では、フリーランスが契約を結ぶときの注意点をご紹介します。マスターして、しっかり契約を結びましょう。

 

②ちゃん
②ちゃん

フリーランスって契約も自己責任だから不安……。トラブルに巻き込まれないためにも、注意すべきことを知りたい!

 

ameri
ameri

私も未だに不安なこともあるので、一緒に改めておさらいしていきましょう!

 

 

フリーランスは業務委託契約で仕事をするのが一般的

フリーランスは、企業と業務委託契約を結んでお仕事をすることが一般的です。

 

業務委託契約とは?

 

業務委託契約とは、仕事を受けるときの契約方法のひとつを指します。企業に雇われて働く従業員とはまた違った形で、企業と対等の立場で業務の依頼を受けます

 

派遣契約という方法もある

 

働く際に企業から直接雇用されない働き方には、フリーランスとして業務委託契約を結ぶ形の他に、派遣契約という方法があります。

 

派遣契約をする場合は、働く企業ではなく派遣会社と雇用関係を結ぶのが基本。報酬は時給で換算され、一定の期間ごとに契約更新があることが特徴です。

 

また、働く期間は同じ職場で最長3年と定められています。

 

フリーランスが結ぶ業務委託の契約形態は主に2つ

フリーランスが結ぶ業務委託の契約形態

フリーランスが企業と契約を結ぶ際の形態は、主に2種類あります。それぞれ民法で定められているのが特徴です。

 

1.委任契約または準委任契約

 

委任契約または準委任契約は、成果物を納品する義務はなく、専門家として求められる業務を果たすことで契約が成立するものです。結果や報告の部分が重視される契約といえます。

 

委任契約と準委任契約の違いは、法律に関わる業務を委託するかどうか。委任契約は法律に関わる業務を委託するもので、弁護士への訴訟代行の依頼はこれにあたります。

 

2.請負契約

 

請負契約は、決められた期間の中で指定された成果物を納品することによって報酬が支払われる契約のことをいいます。どこでいつ働くかは基本的に自由であり、契約の完遂には期限と成果物が条件という点が特徴です。

 

そのため、成果物に問題があった場合は報酬がもらえない場合があります。

 

フリーランスが遭ってしまいやすい契約トラブル4つ

フリーランスとして仕事をしていると、さまざまなクライアントと働く機会があります。

 

②ちゃん
②ちゃん

フリーランスで契約トラブルに遭ったという話を聞いて怖くなってます……。実際にどんなトラブルがあるんでしょう?

 

ameri
ameri

フリーランスが遭ってしまいがちな契約トラブルをいくつか紹介しますね!

 

1.報酬未払い

 

まずは「報酬未払い」。請求書を出したのに、期日になっても支払いが行われないというケースです。

 

2.不当な減額

 

勝手に当初伝えた報酬よりも減額されるという「不当な減額」トラブルもフリーランスが巻き込まれがちなケースといえます。

 

3.約束通りに支払われない

 

期日を過ぎても報酬が振り込まれず、支払いが遅延するというケースもあります。支払いに合わせてお金のやりくりをしている人がほとんど。支払い遅延が起こると困りますよね。

 

4.当初と業務内容が異なる

 

最初の契約内容の業務だけではなく、あとからあれもこれもと追加される、業務内容におけるトラブルもよく巻き込まれやすいケースです。

 

フリーランスは弱い立場だからと泣き寝入りせず、これらのトラブルに巻き込まれないためにも、先方が言い逃れできない証拠を押さえておくことをおすすめします。

 

なるべく削除できないツールでやり取りをしたり、日付が入った状態でスクリーンショットを取っておいたりするのがおすすめです。

 

フリーランスとして契約を結ぶうえで知っておくべき2つの法律

フリーランスとして契約を結ぶ上で知っておくべき法律

フリーランスは企業に比べて弱い立場のため、不利な契約を押し付けられることもあります。しかし、法律を知っておけば自分の身を守ることが可能です。

 

フリーランスとして仕事をする際には、最低限の法律を頭に入れておくことをおすすめします。

 

②ちゃん
②ちゃん

知っておくべき法律を教えてほしいです!

 

ameri
ameri

今からフリーランスに必要な2つの法律をご紹介しますね。

 

 

1.下請法

 

まずは「下請法」。正確には「下請代金支払遅延等防止法」という名称の法律のことをいいます。

 

これは、問題なく納品したにも関わらず、親事業者の都合によって下請代金の支払い遅延や不当な減額、不利な扱いなどをされることを防ぐための法律です。

 

また、親事業者の資本金額によって、対象となる下請事業者が異なります。

 

対象となる取引が「物品の製造委託」「修理委託」「情報成果物作成委託」「役務提供委託」の場合は、

 

  • 親事業者の資本金が3億円を超えている→資本金3億円以下の下請事業者が対象
  • 親事業者の資本金が1千万円~3億円→資本金1千万円以下の下請事業者が対象

 

対象となる取引が「情報成果物作成委託」「役務提供委託」の場合は、

 

  • 親事業者の資本金が5千万円を超えている→資本金5千万円以下の下請事業者が対象
  • 親事業者の資本金が1千万円~5千万円→資本金1千万円以下の下請事業者が対象

 

2.独占禁止法

 

独占禁止法とは、正式には「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といいます。公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることを目的として定められています。

 

例えば、親事業者がフリーランスに対して、取引で知り得た情報を口外しないように秘密保持義務を課したり、一定期間親事業者と競合する企業と仕事をしないように競業避止義務を課したりすることがあります。

 

これらがフリーランスに不利益になったり、義務の内容が過大であったりした場合、独占禁止法上問題になる可能性があるのです。

 

また、親事業者とフリーランスとの関係において、親事業者に「優先的地位」という要件が認められる場合、濫用行為が規制される、とも定められています。

 

  • 発注を取り消すこと
  • 成果物の受領を拒否すること
  • 受領した成果物を返品すること
  • 報酬の支払いを遅延すること

 

などは濫用行為とされ、規制対象になります。

 

契約書なしでも契約は成り立つの?

契約書なしでも契約は成り立つの?

契約を進めるために必要な契約書。とはいえ、フリーランスで仕事をしていると「これ頼みたいんだけどどう?」「お受けします!」という口頭のやり取りで仕事が決まることもあります。

 

では、契約書なしの場合は、契約として成立するのでしょうか?

 

口頭のみの合意でも契約は成り立つ

 

口頭のみの合意でも契約は成り立つかどうかの答えは「YES」。契約書を作成しなくても契約は成り立つのが一般的です。

 

「言った・言わない」を避けるためにも契約書の作成がおすすめ

 

口頭でも成り立つ契約ですが、トラブルになったときに書面が残っていないと、面倒なことになってしまいます。「言った・言わない」は個人の記憶に頼ってしまう危険さがあるので、契約書を作成しておくことをおすすめします

 

オンラインツールを使うのもひとつの手

 

直接書類のやり取りをするのが手間であれば、オンラインツールを活用するのもおすすめ。最近では電子契約書も主流になってきているので、クライアントに提案してみてはいかがでしょうか。

 

フリーランスが業務委託契約を結ぶときの6つの注意点

フリーランスが業務委託契約を結ぶときの注意点

最後に、フリーランスが契約を結ぶときに気をつけたい注意点をまとめてご紹介します。

 

注意点1.契約書の項目をしっかり確認する

 

契約書はむずかしい言葉が並んでいるので、サッと目を通すだけにしてしまいがち。しかし、自分にとって不利な項目がないかをしっかりチェックしなければいけません。

 

契約書の項目1.依頼の方式

 

契約書をチェックするときは、依頼の方式を確認しましょう。依頼の方式というのは、先ほど紹介した委任契約または準委任契約なのか、請負契約なのかという部分です。

 

依頼の方式によって、どの段階で報酬が支払われるかが変わるので把握しておきましょう

 

契約書の項目2.業務内容

 

業務内容もしっかりと確認しておく必要があります。

 

チェックしておくことで契約の業務範囲を把握できるので、契約内容とは異なる業務を依頼されたときには、別で契約をし直すことが可能です。

 

契約書の項目3.報酬・支払い時期

 

報酬がいくらなのか、支払いはいつされるのかもチェックしたいところ。

 

「下請代金支払遅延等防止法」によって、親事業者は支払い期限の目安として「役務(納品した仕事)の提供を受けた日から60日以内で、かつできる限り短い期間内」と定められています

あまりにも遅い支払い期限は、この法律に違反することになるので、契約の際にしっかり見ておきましょう。

 

契約書の項目4.契約期間

 

契約期間も契約書にしっかり記載されてあるか確認します。

 

請負契約の場合は働く時間や場所に指定はありませんが、委任契約または準委任契約の場合は、1日何時間働くかといった勤務状況の指定も契約書に記載するのが一般的です。

 

契約書の項目5.成果物の権利

 

デザイナーやライターなど、成果物を納品する契約の場合、成果物の権利がどちらにあるのかも確認しましょう。成果物の権利とは、納品物の著作権は誰に帰属するかのことをいいます。

 

契約書の項目6.秘密保持契約

 

秘密保持契約とは、取引をする場合、それに伴って知り得た情報を流出させませんと約束する契約のことです。第三者に開示しないことは当たり前ですが、これも契約書に記載するようにしておきましょう。

 

注意点2.安すぎる報酬設定・短すぎる期間設定はしない

 

フリーランスは、自分の価値を自分で決められます。それはメリットでもあり、自分の首を絞めることにもなりかねません。

 

安すぎる報酬設定や短すぎる期間設定は、自分の価値を下げてしまうだけではなく、無理をする原因を作ってしまうことに繋がります。

 

契約を結ぶときは、報酬と期間の設定には気をつけましょう。報酬はしっかりと交渉し、期間は余裕があるくらいで設定するのがおすすめです。

 

とはいえ、金額面であまり強く言えないと感じる方もいるでしょう。しかし、買い叩こうとするクライアントでいいところはありません!結果として自分のためになるので、妥協をせずに契約を進めることをおすすめします。

 

注意点3.交通費の契約についても確認する

 

交通費の契約は忘れてしまいがち。出社する契約をする際は、交通費の契約も行なうように気をつけましょう。

 

また、私のような取材ライターは、取材費用に交通費は入っているのか別途請求できるのかも確認しておくことをおすすめします。

 

注意点4.遅延や修正に関する取り決めも定める

 

成果物を納品する契約の場合、何らかの理由によって納期が後ろ倒しになった場合はどのように対応するのか修正はどこまで対応するのかという面も契約書で定めることをおすすめします。

 

ここが足りていないと、あとから認識違いが起こってしまいます。

 

注意点5.合意事項や補足は覚書に記載する

 

話し合って取り決めた合意事項や補足事項は、覚書(おぼえがき)に記載するのが基本です。覚書とは、契約書の補足的な文書として作成されるもの。覚書も契約書と同様に法的な効力を持ちます。

 

注意点6.フリーランスには労働法制が適用されないことを覚えておく

 

個人事業主であるフリーランスには、労働基準法や労働組合法などの労働法制が適用されません。そのため、先ほど紹介した下請法や独占禁止法を元に契約書を作成しましょう。

 

フリーランスの契約は細かく取り決めるのがポイント

フリーランスの契約は細かく取り決めるのがポイント

契約書の締結は、フリーランスが自分の身を守るための方法です。できるだけ細かく取り決め、トラブルに発展しないように気をつけましょう。

 

最低限の法律を頭に入れておくことで、不利な条件を提示されたときにしっかり反論ができるはず。フリーランスの武器として、契約と法律の基本は覚えることをおすすめします。