働き方が柔軟になってきていることから注目されている「フリーランス」という働き方。縛られない自由な働き方に魅力を感じ、未経験から飛び込んでみようかなと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、フリーランスには他の職業と同じように向き不向きがあり、良い面だけを見て勤めている会社を安易に辞めてしまうのは危険です。
本記事では、実際にフリーランスのライターとして働く筆者の体験談も交えながら、フリーランスに向いていない人の特徴や、独立してから後悔しないためにしておくべきことをご紹介します。
フリーランスになって後悔する人の特徴
まずは、フリーランスに向いていない人の特徴から詳しく見ていきましょう。
1.安定を求める人
そもそも、フリーランスは会社員とは反対の位置にいる職業です。自分で誰と・いつ・どうやって仕事をするかを選べる代わりに、いわゆる会社に守られているという「安定」は存在しません。極端なことをいうと、来月の生活費が稼げるかもわからない状態といえます。
そのため、大企業のような大きな組織に身を置いて安心して働きたいという考えを持っている人には適していません。
2.「こうあるべき」を気にしすぎる人
レールの敷かれた人生を歩みたい人にも、フリーランスは適していないといえます。
例えば、「大学は絶対に出るべき」「結婚して子どもを産まなきゃしあわせではない」のような「こうあるべき」と考えてしまいがちな人には向いていないでしょう。
3.自分の価値を自分で下げてしまう人
フリーランスとして働き続けるには、ある程度自分に自信を持つ必要があります。
フリーランスは自分の技術を相手から認めてもらうことで仕事を得るので、自分の技術を信じ、自信を持って営業することが大切です。
もちろん、実力が伴わないのに自信過剰になってしまうのはいけませんが、技術を磨く努力を続けつつ自分のことを信じてあげられる強さが必要です。
また、自分の価値を自分で下げてしまう人は値付けも苦手なので、相手から買い叩かれる危険性もあります。安請け合いすることで生活が苦しくなってしまうでしょう。
4.視野が狭い人
フリーランスとして働くには、柔軟な考え方が必要です。さまざまなクライアントと関わり、それぞれの要望を聞いて対応することが求められます。
同じ業界でも企業によって言っていることが変わるのは当たり前。視野を広く持って仕事に取り組まなければすぐに置いていかれてしまいます。
そのため、視野が狭い人はフリーランスとして活躍できない可能性が高いといえます。逆に、新しい情報に積極的に触れ、変わることを怖がらずに生きていける自信があるのであれば、フリーランスで成功をつかみ取れるでしょう。
5. 楽してお金を稼ぎたい人
楽しそうに働いているフリーランスの人を見ると、「楽しそう」「楽して稼げそう」と安易に考える人がいますが、実際のところそれほど甘くはありません。
楽してお金を稼ぎたいと思ってフリーランスになると、後悔しか残らないことになるでしょう。
フリーランスが後悔しやすい7つのことと対処法
続いて、フリーランスになってから後悔しやすい7つのことについて見ていきましょう。対処法も併せてご紹介するので、参考にしてみてくださいね。
1.生活が不安定であること
まずは安定とはかけ離れていることです。
それまで大企業で安定した生活を送っていた人ほど、それまでの待遇とのギャップで後悔を感じやすいといえるでしょう。
不安定さはフリーランスには一生付きまとうことなので、覚悟を決めて飛び込みましょう。
2.お金の心配がつきまとうこと
フリーランスは毎月入ってくるお金が一定ではないので、独立したてはお金の面で悩む人も多くいます。収入面で不安な場合は、アルバイトと並行して仕事をはじめるのもひとつの手です。
フリーランスになりたいと考えている人は、最低でも半年収入が少なくても生活できる程度の貯金をしてから退職の決断をすることをおすすめします。
3.スキルアップが難しいこと
一般企業であれば、チームがあり上司がいるので簡単にフィードバックをもらえたり、自分の成長をサポートしてくれたりしますよね。
しかし、フリーランスにはそのような存在はいません。実力がなければそのまま契約を打ち切られることがほとんどです。中には、フィードバックをして継続的に仕事を発注してくれる企業もありますが、必ずフィードバックをもらえる、成長させてもらえると考えるのは危険です。
スキルアップのためには、親切な企業と取引をするか、常に勉強を続けて自らを磨くかの二つしかありません。努力を続けることができる人がフリーランスとして生きていけるでしょう。
4.単価の低い仕事しか受けられないこと
独立したばかりで単価の高い仕事をもらえるフリーランスは稀です。そのため、単価の低い仕事しか受けられないことで後悔してしまう人が多くいます。
最初のうちは単価の低い仕事からコツコツと続けていく必要がある現実を踏まえ、まずは副業からはじめるという方法があります。
金銭面の余裕がなくなると正常な判断ができなくなるので、質の悪い仕事を受けてしまう可能性があります。自分に必要な仕事かどうかを見極めるためにも、単価があがるまではフリーランス1本の生活にしなくてもいいかもしれません。
5.保険や福利厚生が手薄いこと
企業に属していれば、社会保険は企業側が半分負担してくれます。福利厚生も手厚く、妊娠出産のサポートもあります。
フリーランスは自分が働かなければお金は入ってきませんし、受けられるサポートも手薄です。この手薄さを目の当たりにして後悔するフリーランスもいます。
これはフリーランスの宿命でもあるので、解決方法はあまりありません。保険料や税金を支払っても余裕ができるくらい稼げるようになるのが1番の解決法です。
6.社会的信用が低いこと
フリーランスは社会的信用が限りなく低いといえます。個人事業主でも通りやすい不動産業者を使わなければ家は借りられませんし、クレジットカードも作れない可能性が高いのです。
もし、引っ越しを考えているのであれば、独立前に済ませておきましょう。また、会社員のうちにクレジットカードも作っておくことをおすすめします。
7.孤独を感じやすいこと
フリーランスには同期も先輩もいません。仕事をもらう企業の方とはどうしても壁を感じてしまうでしょう。そのため、孤独に耐えきれずに独立したことを後悔するフリーランスは多いものです。
孤独を回避するには、週に何度か出社できるような会社と取引したり、コワーキングスペースを利用して同じ状況の人と知り合ったりなどの方法があります。また、フリーランスのセミナーに参加して知り合いを作るのもおすすめです。
フリーランスで後悔しないためにすべき4つのこと
最後に、フリーランスになってから後悔しないためにしておくべきことを紹介します。
1.会社員時代に社会的信用を使う作業は済ませる
先ほどもお伝えした通り、残念ながらフリーランスの社会的信用は低めです。そのため、会社員のうちに社会的信用が必要が作業は済ませておきましょう。
引っ越しやクレジットカードの新規作成・限度額の増額など、独立後に後悔しないためにリストを作って行なうことをおすすめします。
2.主体的に動く
フリーランスは、受け身でいた場合どんどん埋もれていってしまいます。いい仕事をするためにも、技術を磨いて単価をアップさせていくためにも、主体的に動くといいでしょう。
3.複数のスキルを合わせて働けるようにする
フリーランスとして活躍するためには、唯一無二の存在になる必要があります。
自分の得意なことを組み合わせたり新しいスキルを身につけたりして、複数のスキルを合わせて働けるようになると、それがオリジナルの強みになるでしょう。
仕事が取れない……と後悔しないように、狙ったスキルを磨くのがおすすめです。
4.相談できる相手を見つける
孤独を感じてフリーランスの道を諦めてしまわないよう、相談できる相手を見つけることをおすすめします。同じ業種、または近い仕事内容の人に相談できると、気持ちが軽くなるはずです。
現実を知り後悔しないフリーランス生活を送ろう
それぞれの仕事にいいところと悪いところがあるように、フリーランスも楽しい面と厳しい面があります。現実を知り、それでも挑戦したいという強い意思を持っている人は、きっと独立していい結果を残せることでしょう。
後悔しないフリーランス生活を送れるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね。