最近では、結婚する際に「結婚契約書」を交わす夫婦が増加しています。結婚に関する取り決めであることはなんとなく分かるはずですが、興味はあっても詳しく知らない人が多いはずです。果たして、結婚契約書は個人間で文言を自由に考えて結べるものなのでしょうか。

 

本記事では、結婚契約書の基本的な情報と交わすことによるメリット、契約書を作るときの注意点をまとめてご紹介します。

 

結婚契約書(婚前契約書)とはどんなもの?

結婚契約書

まずは、結婚契約書について詳しくご説明していきます。

 

夫婦の約束事を契約書にしたもの

 

結婚契約書とは、夫婦の約束事を書面にし、契約書にしたもののことを指します。口約束ではなく書類として残すことで、何かを判断するときの軸として活用できます。

 

欧米では結婚前の同意書である「Prenuptial agreement(プレナプシャルアグリーメント)」を交わすことが一般的で、お金結婚後の生活家事・育児の分担について、正式な形で決めている夫婦が多いのです。とても合理的な方法であり、最近では日本でも取り入れられはじめています。

 

私文書と公正証書がある

 

結婚契約書には、私文書公正証書の2種類があることが特徴です。

 

私文書は自分たちで作った文書のことです。対して公正証書は、公証人という法律の専門家が作成する「公文書」のことを指します。公文書にすることで、裁判での証明力がより強くなるのです。

 

私文書の段階でもリーガルチェックを入れることで法的な効力はありますが、公正証書にすることでより強まるといえます。

 

全国約300カ所にある公的機関である「公証役場」に持ち込むことで、公正証書にできます。公正証書の原本は公証役場にて保管されるため、誰かに改ざんされる心配もありません。

 

結婚契約書を交わすメリット

約束

まずは、結婚契約書を交わすメリットを詳しく見ていきましょう。

 

メリット1.約束をちゃんとした形で残せる

 

契約書を交わすことで、約束を形として残せます。

 

数年後に、結婚当初にした約束をひとつ残らず覚えていられる人はどれくらいいるでしょうか。もし契約書がなければ、曖昧なまま過ごすことになるでしょう。

 

結婚契約書は、約束をちゃんとした形で残せるというメリットがあります。

 

メリット2.契約書を作る話し合いで価値観のすり合わせができる

 

好き同士で結婚するとはいえ、所詮夫婦は他人同士です。家族になるうえで譲れない価値観はありますよね。

 

契約書を作るときには必ず話し合いを行ないます。その過程で、自分がどこまで許容できるのか、相手はどんな価値観を持っているのかを共有できるので、すり合わせることが可能です。

 

お互いの価値観を理解したうえで落とし所を探せるので、とても合理的かつ効率的な方法といえるでしょう。

 

メリット3.「言った・言わない」で争わなくて済む

 

口約束の場合は破られた場合の処罰が曖昧です。また、約束したときの証拠が残っていないので、「そんなこと言っていない」と逃げられてしまう可能性もあります。

 

結婚契約書は言ったことを書面で残す方法なので、「言った・言っていない」という論点で争うことがなくなるでしょう。

 

メリット4.いざ離婚するときもスムーズに進められる

 

結婚契約書には、離婚に関する内容も組み込む夫婦が多くいます。

 

「しあわせいっぱいのときに離婚の話なんて」と感じるかもしれませんが、その時点で決めておくことで、スムーズに進められるはずです。

 

結婚契約書の具体的な内容とは?

話し合い

続いて、結婚契約書に記載する具体的な内容についてもご紹介します。

 

基本は夫婦それぞれのスタイルに委ねる

 

結婚契約書は、基本的に夫婦二人の価値観をすり合わせて形にするものなので、「こうするべき」という決まったスタイルはありません

 

それぞれのスタイルに委ねるものですが、ここからはよく盛り込まれる内容についてお伝えします。

 

契約書によく盛り込まれる内容①お金について

 

まずは、お金についてです。

 

生活していくうえでお金は重要な要素ですよね。借金やギャンブル、お金の使い方についても最初に話し合い、契約書に記載されることが多いといえます。

 

例えば、「相手に黙って借金をしない」「おこづかい制にする」などといった決まりを盛り込む方がほとんどです。家計負担の割合も結婚契約書を作る際に決める夫婦が多いです。

 

妻は給与明細を開示することが当たり前だと考えているけれど、夫は細かいことまで干渉されるのは避けたいと思っているかもしれませんよね。こういったすれ違いの元を明確にし、話し合ってどんなルールにするのかを作るのが結婚契約書の役割です。

 

後から文句を言わないためにも、譲れない部分は契約書作成時にすべて伝えておきましょう。

 

契約書によく盛り込まれる内容②異性関係について

 

異性関係についても結婚契約書で多く記載される内容です。

 

不貞行為の基準や性風俗の利用についてなど、どこまでを許してどこからは許さないのか、破った場合のペナルティなどを決めておくといざというときにスムーズです。

 

契約書によく盛り込まれる内容③子育てについて

 

意外と見落としてしまう子育てについても、しっかり盛り込んでおきましょう。

 

例えば、「育児を妻に任せきりにしない(休日は夫が育児を担当する)」など、結婚生活が始まるとなあなあになってしまいがちなことも明文化しておくことをおすすめします。

 

契約書によく盛り込まれる内容④家事の分担について

 

育児と同じように家事についても結婚契約書に盛り込まれることが多い内容です。お互いに〇割ずつ分担するなど、家庭内を円滑に運営するために決めておきましょう。

 

契約書によく盛り込まれる内容⑤親族との付き合い方について

 

家族になるということは、お互いの親族とも関わりができるということです。どちらかの親族がかなり厄介で、もう一方が負担に感じることは避けたいですよね。

 

妻はあまり親族付き合いをしたくないと考えているのに、夫に付き合いを強制され、それが原因で別れに発展するケースもあります。

 

後々喧嘩にならないように、親族との付き合い方についても事前に決め、契約書に残しておくといいでしょう。

 

結婚契約書を作成するときに注意したいこと

リーガルチェック

最後に、結婚契約書を作成するときの注意点を詳しくご紹介します。

 

慰謝料について決める場合は法律の制約を踏まえる

 

基本的には自由に作り込める結婚契約書ですが、慰謝料などの法律の知識が必要な点については、法律の制約を踏まえる必要があります。法律の制約やルール、権利義務を明確にしなければなりません。

 

法律の知識がない一般人が好き勝手に書いてしまうと、結婚契約書自体がただの紙切れになってしまう可能性が高いのです。

 

不貞行為や慰謝料についての記載をしたいときは、見よう見まねで作成するのではなく、専門家の力を借りることをおすすめします。

 

リーガルチェックをする

 

結婚契約書を作成するときは、せっかくの約束を無効にしてしまわないためにも、リーガルチェックをお願いしましょう。リーガルチェックとは、弁護士などの専門家に、内容に問題がないかを確認してもらうことです。

 

リーガルチェックをしてもらうことで、いざ裁判で使うときにも問題のない書類として残しておけるでしょう。

 

結婚契約書を作ってよりよい結婚生活を

 

堅苦しいように感じられますが、結婚契約書は健やかな結婚生活を送るために役立ってくれるものです。価値観をすり合わせ、お互いに歩み寄って一緒に生活できるように結婚契約書を作成することをおすすめします。

 

今回紹介した内容を参考に、よりよい結婚生活を送るための契約書を作ってくださいね。