場所や時間にとらわれない、自由な働き方も選択できるWebライターに憧れる人も多いのではないでしょうか。誰にでも門戸が開かれているWebライティングだからこそ、きちんと仕事をして報酬をもらい続けるためには、スキルを身につける必要があります。
「今まで独学でライティングをしていたので、ちゃんとした文章を書けているのか不安……」「Webライティングを仕事にしてみたいけど、何から学べばいいの?」と不安に思う初心者ライターさんへ、未経験からライターになった私がおすすめしたい本をご紹介していきます。
本を探す前に知っておきたい、Webライティングに必要なスキルとは?
Webライターとして仕事をするためにはスキルが必要不可欠です。本を読んで勉強する前に、本からどんなスキルを得る必要があるのか知っておきましょう。
SEOの知識
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で検索エンジン最適化、つまりインターネットの検索で記事の順位を上げる施策のことです。基本的にWebライティングではほぼ必ずSEOを意識して書かれるので、Webライターには必須のスキルになっています。
SEOの仕組みから、記事のどの部分にキーワードを入れるなど広い知識が必要です。
わかりやすい文章を作る構成力
ライターにはわかりやすい文章、記事を作る力が求められます。読者が内容を理解できるようにまとめる力はもちろん、わかりやすく文章全体を構成する力も必要です。
また、読者が記事を最後まで飽きずに読めるように文章のリズムや構成を考えなければいけません。「何を伝えて、何を伝えないか」「どの順番でどの情報を見せるか」など、内容の取捨選択から全体の流れまでを考える力が求められます。
読者の心をつかむコピーライティング力
ライターとしてステップアップを目指す人にはコピーライティング力も必要です。記事を開いてもらうためのタイトルや読者を飽きさせない見出しをつけ、読者の心をつかむこともライターの仕事。
ただ文章をきれいにまとめるだけではなく、端的に、それでいてキャッチーに読者の心に響く言葉を考えられるライターが求められています。
ここから、そんなライターに必須のWebライティングのスキルが学べる本を紹介していきます。
ライター初心者にまず読んでほしいWebライティング本3選
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式
ライターを目指す人にまず読んでほしい1冊が『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式』。ポップカルチャーのニュースサイト「ナタリー」の初代編集長が、ナタリーでの文章作成の方法をまとめた本です。
かな表記や句読点の位置、接続詞の使い方、誤用の多い表現などWebライティングの文章作成の基本的なことが書かれています。
私がライティングの文章校正の際に使っているマニュアルはこの本を基に作成しました。
20歳の自分に受けさせたい文章講義
ベストセラー『嫌われる勇気』の共著者である古賀史健氏が手掛ける『20歳の自分に受けさせたい文章講義』は、文章構成がよく分かる1冊です。
構成の基本から文章のリズム、読者に伝わる構成・論理の組み方などを解説しています。また、伝えたいことをうまく文章にできない、伝わらない人のモヤモヤがうまく言語化されています。
基本的な文章が書けるようになり、自身で記事の構成から作成する方におすすめです。
記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集
ノウハウ本ではありませんが『記者ハンドブック』も持っておいたほうがいい1冊です。『記者ハンドブック』は共同通信社が、「わかりやすくやさしい文章」が書けるようにと編集した辞書。
言葉の扱いについて字引きができ、言葉をひらがなで書くか漢字で書くか、漢字はどの漢字を使うかなどがすぐに、そして正確に分かります。また、間違えやすい語句や外来語の表記、数字や単位・動植物の表記方法がわかります。
ライターや編集者が手元に置いておくと安心な本です。
読まれる文章を書きたい人におすすめのWebライティング本3選
沈黙のウェブライティング
『沈黙のウェブライティング』はWebライティングをストーリー形式と詳しい解説で学べる本です。Webライターに必須のWebライティングと付随するマーケティングの知識を体系的に学ぶことができます。
Webライティングだけでなく、Webマーケティングやコンテンツマーケティングに興味がある人にもおすすめの1冊。
Webで無料公開もされていますので、気になる方はまずは無料版で読んでみてはいかがでしょうか。
10倍売れるWebコピーライティング
『10倍売れるWebコピーライティング』はSEOを始めとした集客ノウハウが書かれているメディア「バズ部」から出された本です。基本はLP(ランディングページ)のセールスライティングを中心に解説していますが、ブログや記事作成にも役に立つコピーライティングのノウハウが書かれています。
「見出しやタイトルがマンネリ化している」「もっと読まれるタイトルにしたい!」と悩むWebライターにぜひ読んでほしい1冊です。
「言葉にできる」は武器になる
「バイトするなら、タウンワーク。」などの有名コピーを多数生み出した梅田悟司氏が著す『「言葉にできる」は武器になる。』はコピーライティングの作り方から、言葉を生み出す本質的な思考法まで解説しています。
伝わる言葉を考える前に「内なる言葉の存在」に気づいて磨くこと、その思考法はコピーライティングだけでなくWebライティングでの言葉ひとつひとつに通ずるものがありました。
言葉選びに迷う方や「うまく言葉にできないことにもやもやする」という方におすすめです。
Webライティング本の知識をライターの仕事に活かす方法
独学のライティングには限界がある
独学でライティングのスキルを磨くには限界があります。もちろん、独学でもライターとして活動している人もいますが、残念ながら文章の基礎ができておらず、読みにくい記事を書くライターも少なくありません。
私自身も未経験から独学でライターとして活動していましたが、プロに校正・編集をされた際に真っ赤な原稿が返ってきてショックを受けたことがあります。
Webライターを目指す人は先人が培ったWebライティングのノウハウ、すなわちWebライティングの本を読んだり講義を受たりしてライティングの基礎をつけるのがおすすめです。それが読者に伝わる”良い記事”を書く近道になるからです。
本を読んだら実際に文章を書く
Webライティングの本を読んだだけではWebライティングはうまくなりません。学んだ知識を使いながら、実際に文章を書いてアウトプットすることが重要です。
依頼を受けている記事でもブログでもなんでもかまいません。本を傍らに置いて、学んだことを見返しながら何本も記事を書いてみてください。
また、本を読む以前に書いた文章をリライトすることもおすすめです。「こんな読みにくい文章を書いていたんだ……」と落ち込むこともありますが、自分の文章の癖を知れたり、以前よりも読みやすい文章が書けるようになったと成長を感じたりできます。
基礎を学んだ上で、実践を通して読者の反応や数字を見ながらあなたらしい文章を磨いていきましょう。
ライティング力を身につけてWebライターとしてのステップアップを目指そう
Webライティングの仕事は初心者からプロ向けまで様々です。昨今のWebライティング業界は独学の初心者でも仕事を受けられる環境があります。
しかし、仕事をもらえることに甘んじてライティングのスキルアップを怠っていては、ほんとうに読者に価値を届けられる文章を書くことはできません。そのままでは長く仕事を任されるライターにはなれません。
書くことは誰にでもできるからこそ、”あなた”に仕事を依頼されて、クライアントに満足してもらえるためにWebライティングのスキルを磨いていきましょう。